日々の野良仕事を随時紹介します、どうぞご笑覧下さい。
今年初めての農作業は、集落の共同作業 江浚いである。 江浚いとは、水路に一年で溜まった泥や 生えた草を取り除く作業。 水は上から下へ流れるので、農家全員で 行う。当地区は一町分以上二人参加の 決め事である。 |
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先頭がスコップで水路の泥を上げる 所に切り込みを付けて行く。 その切り込みに沿って鍬で泥を上げて いく。大勢でワイワイ言いながらしないと もたない、単調できつい作業だ。 |
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たまの休憩がコミニュケーションの 場となり、女性は井戸端会議の重要な 時間となる。 この共同作業が終わると、慰労会が 待っている。 江浚いが終わると、春作業が始まる。 |
この種子一粒が稲になる | 塩で比重を上げた水に漬けて、比重選別 重い優良な種だけを選ぶ、浮いた種は鳥の餌 |
コシヒカリ280kg、こしいぶき9キログラム はえぬき20kg、こがねもち6kg |
昔から「苗半作」と言って、苗の善し悪しで、 その年の収穫の半分は決まると言われてきた。 苗作りは、米作りの作業で最も気をつかい、そして 失敗出来ない重要な作業である。 いよいよその作業が始まった。 これから田植えまで、気の抜けない毎日が続く。 |
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催芽器に入れ、消毒準備 | 種子消毒はバカ苗病予防で重要 |
種子消毒の終った種籾は水に浸ける。 種を休眠から覚めさせてやるのと、発芽 抑制物質を取り除くため。 コシヒカリは休眠が深いため、積算温度で 120℃以上が必要。 水温10℃なら12日以上の浸種が必要となる。 時々水を替えて、酸欠にならないようにする。 |
ビニールハウスの捨てビニールは、大体 3年で寿命がくる。 特に新潟は雪にいじめられるので、早くダメに なるのかも知れない。 3年もたつと、紫外線で風化してパリパリになる。 この修理がハウス仕事の始まりなのだ。 この次、屋根のビニール掛けの大仕事が待っている。 |
ハウスのビニール張りは大変な仕事 3.5間×15間のハウス2棟と3.5間×13間ハウス 2棟を一日で掛けた。もうクタクタである。 近所より手伝いに来てもらい、大勢でしないと出来ない 仕事だ。掛けてる最中は忙しく写真を撮る暇が無い。 |
育苗土は焼土を買い、それにクンタン、肥料、農薬 を混合する。焼土はフレコンの1トンパツクで8トン購入。 その内6トンを混合、残り2トンは覆土用。 この混合で一日かかる。 |
作業中、近所の子供が春休みなので遊びに 来る。珍しがり見てるのはいいが、怪我などされると 大変だ。怒るわけにもいかず、ヒヤヒヤしながら遊ばせておく。 当然仕事は遅れるし、休憩にはお菓子をご馳走してやる。 |
トラクターに付けた畦塗り機 | 畦塗りする前の畦(崩れて草だらけ) | きれいに畦が付いていく |
播種作業は単調できつい仕事だ | 播種機に苗箱を入れると土が入り、種が播かれる | 種が播かれ、水がかかり覆土したのを軽トラに乗せる |
茶色のツブツブが種籾、私はこれくらいの密度で播く | 軽トラでハウスへ、この並べる仕事がきつい | 休憩が一番の楽しみ、よもやま話に会話もはずむ |
芽が出始めた、今年は暖かく出芽も早い | 芽が上の土を持ち上げるので水をかける | 2.500枚かけるのに半日かかる。 |
鶏糞と珪酸質材、それと有機質ペレット散布 | ブロードカスタに入れて散布 | 田面にトラクターで均一に散布 |
肥料散布が終わるとすぐ耕起 | 条件良ければ一日2haづつ起す | 今年は雪が少なく暖かいため草が多い |
田植え前の最終段階、丁寧に。 | トラクターの後ろに付けている作業機はドライブハロー | 遠く残雪の飯豊連峰を眺めながら |
ビニールハウスより苗を運び出す。 これは人力しかない。 |
軽トラに載せ、田へ。苗80枚がつく。 この作業が一番大変。 |
田へ着いたら、弁当肥、散水など各役割は 暗黙の了解だ。田植機に載せる。 |
田植機のマーカーとマーカー跡を合わせ まっすぐに植える準備完了。 |
ターンはゆっくり、慎重に。ターンてしっかりマーカーを 合わせないと、だんだん植え付けが曲がる。 二人乗って運転と苗補給、行うことがしばしば。 |
直線は一気に加速、小走り程度の早さ。 今の田植機は性能良く、かなりのスピードでも 安定して植えられる。 |
たばこ1本より長い位の苗を植える。 今年は4月暑く、徒長ぎみだ。 |
植えた直後の苗、うまく育つのかと思うほど ひよわだ。 |
田植機の心臓部、植え付け部。 泥の中で精密に、そして確実に植えていく。 |
田が深く、乗用田植機が入らない所は 歩行型田植機で植える。 |
昔は全て歩行型であったが、今は乗用型 が普及している。 深い田に乗用型を入れて、落ちてしまおうものなえら 上げるのに半日くらい掛かる。 ここは大事を取って、歩行型で植えなければ。 しかし、これが疲れるのだ。 |
田植えが終わると、すぐ隅植えに入る。 乗用8条植田植機は隅の欠株はほとんどないが、 歩行田植機はどうしても隅に植え残しが出てしまう。 そこを人力で植えるのだ。 |
この作業は腰を曲げて行うのでかなりきつい。 私と女房、二人で行うが、田植えよりきつい。 全圃場終わるのに3日かかる。 これが終われば、女房は田に入らなくてすむ。 次は除草剤散布だ。 |
田植え、隅植えが終わると、圃場の除草剤散布になる。 早く代掻き、田植えした所は、もうヒエ(ヘクサ)が出てきた。大きくならない内に 除草剤を散布しないと。農家はつねに草との戦いなのだ。 今は、フロアブル剤、ジャンボ剤(簡単にふれる)があるが、条件により効かない 圃場があるので、私は1キロ剤の動噴散布が好みだ。 圃場へ機械を背負って入らなければならないが、これが一番確実のよう。 |
田植え、隅植えが終われば、女房は畑仕事。 これは彼女の聖域で、誰も口出しできない。たとえ私でも、黙っていなければならない。 彼女の野菜は、完全無農薬で作る。虫は防虫ネットで防ぎ、付いたものは手で潰す。 病気が出れば、木酢液とストチュウで防除する。肥料はもちろん堆肥と有機肥料。 かなりのこだわりで作るが、食べると美味い。 農家が作る自家用野菜くらいは無農薬で、が信条のようだ。 |
種籾は芽だしをして、かなり長くなったものを蒔く。 | 機械ではなく手で蒔く、10アール5分位で蒔ける | 蒔いた後、田植機を改造した、均し機で種籾に薄く泥をかけていく。 均し板が6メートルもあり、慣れないと大変(借り物)。後は干して発芽を待つ。 |
植えてまもなくの田に米ぬかを撒いて除草する技術がある。植えてまだ草が出ない内に撒くのがポイント。 米ぬかを撒くと、田面の微生物が一気に活発になり、泥がトロトロになる。そのトロトロが発芽した草の芽を隠すし 微生物で表面が酸欠状態になる。それで草が枯れる又は発芽しない、という理論。 稲は下に根を張っているので表面の酸欠から免れる、という理屈だ。 昨年もしたが、ヒエは抑えることが出来たが、オモダカなど球根雑草はダメであった。 さて今年はどうなることやら。 風のある日に撒くと、風に流されかなりの所まで飛ぶので、撒く日は風待ちである。 |
何も作ってない土地や、減反で作物が出来にくい土地は、放っておくので草が伸び放題である。 年に2回位は刈らないと背丈以上になり、来年はそれ以上の草薮になる。 エンジン付草刈機で刈り払う。先端に丸い鋸状の回転する刈歯が付いていて、それを左右に振り刈って行く。 これが意外と重労働で、危険である。足がとどかない位置に刈歯があるのだが、ひょんな事から自分の足を切ることがある。 そんな事になろうものなら重傷だ、十分注意が必要。 しかし、草の生命力は凄い、刈っても刈っても伸びてくる。やはり百姓は草との戦いなのだ。 |