始めに記しておきますが、蕎麦は食うもので、食べるものではないのであります。
けっして蕎麦は上品に召し上がる食べ物ではないはずであります。がつがつと無性に、一心不乱に食う食べ物であるはずです。それほど庶民の食べ物であり、うまい、まずいがはっきり分かる食べ物なのであります。
ここで、私的蕎麦の食べ方を述べたいと思います。
その1 上品に食べてはいけない。(がつがつ食う)
その2 風邪をひいてるとき食わない。(鼻に抜ける香りが分からない)
その3 けっして椅子とテーブルで食ってはならない。(畳に座りでしょう)
出てきた蕎麦を何も考えず一気にたいらげ、たまに漬物をガリガリかじり、天ぷらに食らいつく、最後に蕎麦湯を飲み干し一息つく。これが蕎麦を食べる時の極意なのであります。 |