その21  蕎麦を食う  05.10.20 
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 始めに記しておきますが、蕎麦は食うもので、食べるものではないのであります。
 けっして蕎麦は上品に召し上がる食べ物ではないはずであります。がつがつと無性に、一心不乱に食う食べ物であるはずです。それほど庶民の食べ物であり、うまい、まずいがはっきり分かる食べ物なのであります。

 ここで、私的蕎麦の食べ方を述べたいと思います。
 その1 上品に食べてはいけない。(がつがつ食う)
 その2 風邪をひいてるとき食わない。(鼻に抜ける香りが分からない)
 その3 けっして椅子とテーブルで食ってはならない。(畳に座りでしょう)

 出てきた蕎麦を何も考えず一気にたいらげ、たまに漬物をガリガリかじり、天ぷらに食らいつく、最後に蕎麦湯を飲み干し一息つく。これが蕎麦を食べる時の極意なのであります。
 私の友人に蕎麦屋がおります。彼の経歴がおもしろいのです。
 某国立大学工学部卒、某一流電子機器メーカー管理職を蕎麦屋をやるために中途退職、蕎麦屋の弟子につく。調理師免許取得、蕎麦屋「けやき」を開業。
 私はこの蕎麦が大好きなのであります。そば粉のみで打つ蕎麦で、コシの強さ、のどごし、鼻に抜ける香り、季節の漬物、そしてこのオヤジの蕎麦屋らしい立ち振る舞いと純和風の店のたたずまい。このような蕎麦屋はどこにもないのです。

 春と秋の農作業繁忙期が終ると、必ず食いに行く蕎麦屋になりました。この度も、ここで蕎麦を食い、満足してきたのであります。
 これから新そばの時期になります、今年の出羽かおり(そば品種)の味はいかがでしょう。

 場所は山形県米沢市古志田の「けやき」なのです。
URL http://www.geocities.jp/takamorikeyaki/